投稿者「kawahara_admin」のアーカイブ

食後の歯磨き いいの? 悪いの?

少し前ですが、よく聞かれることがあったご質問です。

実験的に歯(象牙質)を酸性飲料に浸して脱灰を生じさせ、それを口腔内に戻し酸の浸透度や歯磨きの開始時間による歯の摩耗をみた実験では、直後の歯みがきでは歯はすり減りやすい(酸蝕が起こりやすい)という結果でした。しかし、実際の人の口の中では、歯の表面はエナメル質であり、酸の浸透度は実験結果よりは少ないと考えられ、また唾液の作用により、酸に対する防御機構も働いています。

***そこで、日本小児歯科学会では通常の食事のときには早めに歯みがきをして、歯垢とその中の細菌を取り除いて脱灰を防ぐことのほうが重要ということになりました。***

フッ素塗布についてネットでみたのですが・・・・。

親御さんのなかにはお子さんのことを考え、このようなご質問をされるかたも、もちろんいらっしゃいます。親御さんのご意見を尊重し、歯科医院にはフッ素の入っていない専用クリーニングペーストがありますのでフッ素塗布をご希望されない場合には、そのペーストでお子さんの歯をクリーニングさせていただき検診させていただいております。

ところで逆の立場から考えたとき、歯科医師の中に フッ素のリスクや批判を警戒し排除すべき というご意見のかたは・・・・・・・探すほうが大変かもしれません

フッ素はもともと食品(魚の皮や骨、茶、海草などに多い)や飲料水中にも含まれている微量元素なのです。

日本においては以前はフッ化物の全身応用や集団応用に関して賛否両論が出ていたことから、個人レベルでの局所応用にとどまっていましたが、1999年以降、日本歯科医学会や厚生労働省、日本学校歯科医会などのより声明が出され、適正なフッ化物利用によるむし歯予防の有効性が示されたことから、応用の範囲が広がってきています。

フッ化物によるむし歯予防はすでに1945年から世界保健機構(WHO)を通じて推奨されてきており、これまでも数多くの疫学データによりその有効性が示されております。

 フッ化物の歯面塗布・・・定期的な口腔管理を行いながら、歯の萌出状態やう蝕感受性の高さなどに合わせて歯面塗布を行うことが望まれており、乳歯では 1歳頃 1歳6か月頃より適正な間隔(3~6か月に1回)で塗布することが望まれます。永久歯では第2大臼歯萌出まで適正な間隔(3~6か月に1回)で塗布することが望まれております。

以上が歯科的な立場からのご説明となります。

***一番大事なのは、やはり毎日のブラッシングです。***

授乳とむし歯

1歳を過ぎて上の前歯が生え揃い最初の奥歯が生えたあとも、就寝時の授乳を続けているとお子さんがむし歯になってしまうリスクが高くなってしまいますので気をつけましょう。

母乳がお子さんの上の前歯のまわりに溜まったままになりやすく、就寝時には唾液の分泌量もへってしまうため、なおさらむし歯になってしまうリスクが高くなってしまいます。

1歳6か月までのう蝕の発病に対して強く関連する要因は「就寝時授乳」「母乳とその継続」          「甘味食品の早期摂取開始」であったという研究結果もあります。

東京都内の保健所で行った調査結果でも、母乳を継続している1歳6か月児のう蝕罹患率は有意に高く、母乳はほとんどのお子さんが就寝時に飲んでいたとのことです。                                                    

 

歯の一部が茶色いんですけど?・・・・。

歯質の形成異常はエナメル質にもっとも多く起こり、その症状は多岐にわたります。特に第一大臼歯と切歯に限局して発症します。エナメル質減形成(MIH)に罹患している患者さんは予想以上に多いことがわかり始めており、発症については今でもさまざまな要因との関連が疑われていますがどれも確証は得られていません。遺伝子に起因するものの場合ではすべての歯が罹患していることになります。

特に重症なものは左右非対称に存在するもので変色や実質欠損以外に認められる自覚症状としては、著しい知覚過敏症状となっています。知覚過敏が認められない場合もありますが、実質欠損のない変色歯でも、放置すると歯冠破折をおこし、実質欠損に至る事があるため、歯科医師による長期管理が必要となります。

もし、お子さんにMIHが存在していたら?

歯科医師の管理のもと、歯列咬合の成長が完了した後に本格的な補綴治療が必要となります。そのため小児期の治療としては歯列咬合の成長が完了するまでは知覚過敏などの処置を行いながら咬合の回復を安定させることに努め、将来補綴治療を行うまではセメントや充填処置による暫間処置を行うこととなります。

では、保護者の方が知っておくべきこととしては

1.小児期は暫間処置と対症療法がメインとなりますので定期チェックが必要となります。2.粗造な歯面や実質欠損部はプラークが形成されやすいので虫歯になりやすいので注意が必要です。3.歯質の石灰化が不十分のため虫歯の進行が速くなります。4.家庭でのプラークコントロールがとても重要となります。5.歯の変色部には破折や咬耗がおこる可能性がおおいにあります。6.最終的には補綴治療に移行することとなりますが、それまでは正しい歯列咬合関係に誘導させることが大切となり、小児期の治療は知覚過敏の緩和などの暫間処置が中心となります。7.虫歯と一見間違えてしまうことが実質欠損などが生じた場合にはありますので、上記などの理由により歯科医師による長期管理がとても重要となります。